【画像出典:ミッドサマー】
この感想記事にはネタバレも含むので未視聴の方はご注意ください。
アマプラで配信されていたのでミッドサマーをみました。
監督曰くラブストーリーとのことで物議を呼んだ問題作ですが個人的な印象だとカルト・ホラーでしたね。とはいえ、これをラブストーリーと呼んでしまう感性も分からなくはない…。まあ、単純にホラーとは呼べないような作品であることには違いないです。
で、よくよく、何故、ホラーと気持ちよく言い切れないのか、考えてみたところ。視聴された方なら分かると思うのですが、ホラーとシンプルに大別出来ない大きな要素として色彩なのかなぁと。というのも物語の舞台は白夜の期間真っ最中なので暗いシーンがあまりなく色彩が豊かです。しかも画面を構成している色が寒色ではなく主に暖色系というのもこれまでのホラー作品の文脈からは大きく外れていると思います。このあたりがこれまでのホラー作品とは違う異質なポイントの気がします。
あと、個人的におもしろいなぁと思ったポイントなんですけど、恐怖の対象がなんだかぼんやりしているところですね。
僕の思うホラー映画って恐怖の対象が象徴化されているものが大半というイメージなんですが、それは視聴者が分かりやすく恐怖できる構造になっているからだと考える訳ですが、ミッドサマーでは、現代では受け入れがたい思想に基いたしきたりと、そこに発生している共依存なんかが恐怖の対象として描かれていて、抽象的なんですね。なので何が怖くて誰から逃げたいみたいなのがあんまりはっきりしないというか…、まあ言えば集落全体が恐怖の対象ではあるのですが。
人によってはハッピーエンドともバットエンドとも捉えることが出来るなんてところも話題になりましたが、僕は、バットエンドに感じましたね。最後のダニーの笑顔はめちゃくちゃ怖かったです。
あと音響や音楽も凄く良かった。ボビー・クーリックという方が手掛けているみたいでSpotifyでも聞けます。
Spotifyそんなわけで、アリ・アスター監督の映画は前作のヘレディタリーも面白かったし次回作にも期待です。
ちなみに次回作のタイトルは『Disappointment Blvd』で2022年に公開予定なんだとか。タイトルや公開時期は変わるかも知れませんが。